友達婚~5年もあいつに片想い~

前と変った

いつもふざけてばかりいて、私と一緒にいる時も、よく“冗談、冗談”と言っていた。

でも仕事の事になると、真面目になって。

そのギャップが胸をドキドキさせていた。

「また冗談でしょ。」

そうよ。

私は武蔵の言葉をかき消すように、ビールを飲み干した。

「こんな時に、冗談言うかよ。」

2杯目のビールを、淡々と飲む武蔵。

今までの中で、一番分からない。

ううん。本当は、私の知っている武蔵って、ほんの一部だけだったんだよね。

「うん。結婚のお祝いとして、気持ちだけ受け取っておくね。」


武蔵との付き合いは、4年にも及んだ。

そんな武蔵に、はっきり結婚の事を言われたのは、実はこれが初めてだ。

付き合っていた時には言ってくれなかったのに、今になって言うなんて。
< 81 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop