故意な恋~ヤンデレ御曹司に戦略的に囲い込まれていく~


棚から本を取り出して、私に差し出してくれる。

「遠慮しないでください。こういう時は女性に譲るのがマナーですから」

そういわれて、外国の人みたいだなと思った。

日本人はあまりこんな言葉は使わないだろうと。

相手の顔を見上げると、普通に日本人だった。

サラサラした黒髪に、切れ長の黒目。そしてメガネをかけている。

「ふふっ、顔に何かついてますか?」

「あっ、すみませんっ。ジロジロ見ちゃって」
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