ステキな攻防戦
初めてづくし
東夏さんと一緒に暮らし始めて最初の週末を迎えた。

「これでいいかな…?」

白のカッターシャツに水色のロングスカートを身に着けた私は姿見の前で呟いた。

胸元まである髪の毛はハーフアップにしてお気に入りのバレッタで留めた。

地味なような気もするけれど…あまり派手なのも印象が悪いだけだし、これでいいかも知れない。

「今さらだけど、デートに出かけるんだな」

今日は東夏さんと近所の複合商業施設の中にあるプラネタリウムを見に行くのだ。

つまり、俗に言う“デート”と言うものである。

「変な感じだな」

結婚3年目で初めてのデートに出かけるなんて、我ながらおかしな展開だ。

「デートって、結婚前に親睦的な意味でやるもんだよね…?」

よくわからないけど…と思いながら私は姿見で自分の格好を確認すると、部屋を出たのだった。
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