ステキな攻防戦
東夏さんとお見合いで出会って、彼にプロポーズをされた。

何もかも完璧な彼の妻になる相手が私でいいのかと思ったけれど、彼は“君がいい”と言ってくれた。

結婚した…のはいいけれど、彼はすぐに仕事で日本を離れることになった。

世界的な状況のせいで、私は3年間と1人の時間を過ごすことになってしまった。

最初からこんな思いをするくらいならば彼と結婚しなければよかった…と思って離婚を決意して、彼が帰国したその日に離婚届を出した。

彼は出された離婚に応じるのではなく、1ヶ月だけの結婚生活を提案してきた。

初めてのデート、私が作った料理を“美味しい”と言いながら食べているその顔、意外にも甘いものが好きなことーーああ、そうか…と思いながら、私は閉じていた目を開けた。

「ーー私は…」
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