婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
内政的にも落ち着いてきて余裕ができたために人員を回せるようになったのだ。ただ、影移動で逃げられたら追えないな。ここは先手を打っておくか。
「セシル、影移動でどこかへ行く時は俺に教えてくれ」
「え、どうして?」
「この前みたいにセシルが攫われたのか、影移動で移動したのかわからないと心配するだろう?」
もっともらしいこと言って、約束してもらおう。セシルは真面目だから、約束してしまえば、滅多なことでは反故にしない。
「うーん、条件付きでいいなら約束できるわ。例えば、身の危険を感じた時とか、誰かの命がかかっている時とか、緊急時は宣言なしで使うわよ」
「ああ、それでかまわない。俺もそばにいて守る」
「あ、そうだわ。もうひとつお願いがあるんだけど」
「なんだ?」
セシルのお願いなら、すべて叶えるつもりで聞き返す。幸いにも皇帝を続けることになったから、多少は無茶な話でも問題ない。
「レイが用意してくれた家で、解呪の依頼を受けたいのだけどいいかしら? 薬屋はミリアムに任せたから、あっちは薬屋だけで営業した方がいいと思うの」
「そんなことか。問題ない。だが、そうなると改装した方がいいのではないか?」
なにせあの部屋は俺とセシルで住むために用意した部屋だ。内装などはセシルの好みに合わせたが、解呪の依頼をこなすとなると部屋の雰囲気が合わない気がする。