極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
「ハワイのシャンパンはフルーティーだね」

　オーシャンビューの窓の外。

　すっかり暗くなったが、海辺の灯かりが美しく見える景色を見ながら、シャンパンで乾杯をした。

　グラスを傾けて、ひとくち飲んだ翔は満足げに言う。

「うん。とっても飲みやすい」

　果歩も同じようにひとくち飲み、すっきりして喉をするっと通っていったシャンパンに感嘆してしまった。

　ホテルディナーなんてほとんどしたことがないのだ、慣れない状況に緊張はしていたけれど、心を決めてしまえば『楽しもう』という気持ちが生まれていた。

　だから、あまり強くないお酒も一杯だけ飲むことにして、翔と同じシャンパンをオーダーしたのだ。

　ぱちぱち弾けるシャンパンは特別な時間に相応しく、酔わないように気を付けないと、と思いつつ、果歩は少しずつ飲んでいった。

「俺も店でお酒を飲むのは久しぶりなんだ。こういう仕事だからね。飲酒も規則があって」

　翔は、美味しそうにシャンパンを味わっている理由を口に出した。

　確かに二日酔いで飛行機の操縦など、もってのほかだ。

「そうだよね。どんな感じなの？」

　果歩も軽く頷いて、質問した。

　翔は何時間前からは飲んではいけないだとか、詳しく話をしてくれて、果歩は興味深く、それを聞いた。

　パイロットなんて存在と話すのだけではなく、接するのも翔が初めてなのだ。

　仕事の話だって、聞いていてとても楽しめた。
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