極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
再会はデジャヴ
「あれ、こっちだったかな……」

 だがあまり来ないために、出口の方向に自信がなくなった。

 近くに案内板があるのを見つけて、そちらへ近付く。

 んー、としげしげ見つめ、右のほうへ行けばいいのだと知る。

 よってそちらへ向かってベビーカーを押しはじめたのだが、どうもそこでもイベントをやっていたようだった。

 一階の噴水がある広場にひとが集まっている。

 なにか受け取ったり、催しをやるのを待っているという雰囲気だった。

 あら、迂回すれば良かったかな、結構ひとがいるな。

 果歩は思って、なるべく端のほうを通ろうとしたのだけど……。

「ひゃっ!?」

 ガッ、と不意に衝撃が走った。

 ガクン、とベビーカーが大きく揺れそうになって、果歩は慌ててガシッとしっかりハンドルを掴み、それ以上の揺れを阻止した。

「あ、あー……しまった……」

 どうやら端に寄ろうとしたことで、通路にあった溝にタイヤがはまってしまったようであった。

 前輪、右のタイヤが溝に突っ込んでいるのが見えた。
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