太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
予約してたフレンチのコースランチは出されるもの全て美味しくて、きっとそれは麻依と一緒だからそう感じるんだろうな…なんて考えていた時に、麻依が「諒と一緒だからすごく美味しくなるんだね」って言うから、一瞬〝頭の中、読まれた!?〞ってマジで思った。

でも…麻依ならいいかな。
やましいこと、一つもないから。
逆に俺がどんだけ好きかわかってもらえるんじゃないかな。

あ…それって更に逆に引かれるパターンもアリか?
あんなことしたい!こんなことさせたい!とか…読まれたらマズいか…


「諒?何をさっきから百面相してるの?どうかしたの?」

麻依に覗き込まれて我に返る。

「ん、なんでもない。麻依はエスパーなんじゃないかって思ってただけ」

「?エスパーじゃないよ?フツーの人間だよ?」

「はははっ、わかってるって。…じゃあそろそろ見に行く?」

「そうだね、お腹もいっぱいになったし、しっかり見れるね!ふふっ、楽しみ」




レストランから歩いて20分位の所に、その有名なギャラリーはある。

麻依はパンプス履いてるからタクシーを使おうと思ったが、麻依から「散歩がてら歩いていこう」と提案された。

ヒールがある靴で歩くのは大変じゃないかと聞いたけど、麻依は平気らしい。

靴はこだわっていて、仕事用も普段履きも〝走れるパンプス〞を愛用しているそうだ。

「安くはないけど、それだけ出す価値はある」という。

…なるほど。
安きゃいいってワケでも、高いからいいってワケでもなく。
見合う価値があるか、か。

確かにな。麻依は基本そうやって考えてる感じがするもんな。
うーん、知れば知るほど麻依の魅力に惹かれていく。

俺は麻依に見合う価値、あんのかな…なんて…
それこそ考えるだけ無駄だな!


おっ、建物が見えてきた!
繋いでる麻依の手をキュッと握って「もう着くよ」って合図した。

< 129 / 268 >

この作品をシェア

pagetop