太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

「それじゃあ私達はもう少しお店を回ってから帰るね」

お店を出たところで、麻依がお母さんに言葉をかけた。

「そう、もっと話してたいけどまた今度ね。気をつけて帰ってね。諒くん、麻依をよろしくね」

「はい。こちらこそよろしくお願いします」


すると今度は、麻依が翔琉と陽依さんに向きあった。

「ひよりんと翔琉くんも大事な2人の時間を頂いちゃって本当にありがとう。とっても楽しかったよ。これから2人でゆっくりクリスマスデートを楽しんできてね、ふふっ」

「こちらこそ、すごい有意義な時間を過ごさせてもらって楽しかったですぅ!ありがとうございました!お母様にもご馳走になりまして、ありがとうございました」

ペコリと一礼する陽依さん。
今時の若い人にしては珍しいくらい綺麗なお辞儀をするとは思ってたけど、これは育ちの良さなのかもな。

「そうっスよ、皆さんにお会いできてすげー楽しかったっス。お昼もごちそうさまでした!」


「陽依さん、またお会いしましょーねッ」
「ハイッ、私もひまりさんともっとお話したいですッ」

って、すっかり仲良くなったそっくりさん2人で連絡先交換を始めた。
ふ、繋がりが増えるって幸せだな…
なんて考えてたら。

「諒くん、俺もそっちに行くからさ、今度は一緒に飲もうよ」

「えっ、あ、はい、ぜひ!」
ってなわけで、俺も戸田さんと連絡先交換。

「俺、麻依さんの連絡先は知らないから安心してよ、何かあれば諒くんに連絡するから」

「はい、ありがとうございます」
…すげぇスマートな大人の男だなー…
飲んだ時にでも話を聞いてみたいな。大人の男はどうあるべきか、って。


「あっ!大変、忘れるところでしたぁ!ハイッ、麻依先輩!お誕生日おめでとうございますぅ!」

陽依さんが上品なラッピングの小箱を麻依に差し出した。

「ひよりん、覚えててくれたの?ありがとう…嬉しい!え、これもらっていいの?」

「ハイッ、翔琉さんと私からですッ。あ、選んだのは私なんですけどね、イヤリングですぅ。麻依先輩、ピアスじゃないですもんね」

「わぁ…ありがとう!嬉しい!大事に使わせてもらうね!」

「そうだったわね。麻依、誕生日おめでとう!これはお母さんからのプレゼント。たまにはこういうオシャレもしてね」

と、智世さんが鞄から取り出した細い小箱を麻依に渡した。
あのラッピングは【ink:platinum】かな。

「ブレスレットなんだけどね、誕生石が御守りになるって聞いたから買ってみたの。後で陽依さんのプレゼントと一緒に開けてみてね、ふふっ」

…やっぱ親子だな、笑い方や仕草も似てるんだよな。

「ありがとう、お母さん。大事に使わせてもらうね」

「よかったね、麻依」
「うん!」

本当に嬉しそうな麻依を見てるだけで俺も嬉しくなる。



最後にまた麻依がみんなにお礼を言って、その場は解散となった。


それから俺達は麻依が気になっていたお店を覗いたり、俺が行きたいと思っていた美術館に行ってみたりと、楽しく幸せな時間を過ごした。

帰りの新幹線でもイチャイチャしたかったのに麻依も俺も寝てしまって、気付いたら降りる駅のひとつ前…

でもあと一駅分あるしイチャイチャしよう!と思ったのに麻依が全然起きなくて…

結局、俺は寝てる麻依の手にキスや頬擦りをしながら、麻依の寝顔を眺めてた。
…端から見たら絶対アヤしい奴だな…


この二日間は、プロポーズを受けてもらえたのもあって、嬉しくて、幸せで…俺には忘れられない日になったんだ。

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