太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
…はぁ……
一時はどうなるかと思ったけど、幸成くんと北見さんのお陰で少し落ち着いたかも。
あ、もう『幸成くん』なんて呼んじゃ失礼だよね。専務さんなんだし。
次は北条専務って言った方がいいのかな…
けど、他人行儀だからやめてくれ!って言われちゃうかな。ふふっ。
北見さんは大人しそうに見えて、すごくまっすぐで熱血な人なんだなぁ。
私はこの人とは相性いいかもって思ったから、もし式を挙げるならプランナーは北見さんにお願いしたいな。
…もし、挙げるなら、か…
そういえば私からは諒に何も言ってこなかったけど…
まぁいいや。諒も気にしてないと思うし…
幸成くんが任せろって言ってくれたし、もう任せちゃお。
でも…
諒が何て言ってくるかな…
久しぶりに再会した山下さんがいいって言われたら…
そしたらどうしよう…
私、どうなるんだろう…
私達…どうなるんだろう……
そんなことを考えていたら、タクシーがもうマンションについてしまった。
お会計しようとしたら、運転手さんに「フルールさんから頂いてますから結構ですよ」とにこやかな笑顔で断わられてしまった。
あ、そういえば。
幸成くんが運転手さんに何か話してたのを思い出した。
だから素直に「そうでしたか、わかりました。ありがとうございました」とお礼を述べて部屋に戻った。
簡単な部屋着に着替えて、濃いめのホットココアを作る。
ふぅ…
ココアを味わいながら一息つく。
なんだか…心が台風に巻き込まれてぐるぐる飛ばされてる感じ。
あ…今日は午後から諒の部屋で絵のモデルをする約束してたけど…
こんな精神状態じゃ無理。
というかイヤ。
…よくわからないけど…
会いたくない…
声も聞きたくない…
会ったら何を口走ってしまうか、自分でもわからないから…
こんなに諒を拒否るなんて…
初めての気持ちで…
自分がわからない…
はぁ…
ほんとにどうなっちゃうんだろう…