太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
麻依を抱き上げて車に戻り、背もたれを少し倒した助手席にそっと置いた。



ゆっくりと車を走らせながら、赤信号で停まる度に麻依を見る。


なんか久しぶりだな…

やっぱ可愛いくて愛しい…

胸が苦しい…痛い…

麻依、好きだよ…愛してる…


いろんな思いが駆け巡る。



〝俺に怒りをぶつけたいのに〞

〝俺が昔馴染みの人と話すことを許せない自分を責めていて〞

〝一人で自分の気持ちの方を押し殺そうとしている〞



…どうして…

言ってくれればいいのに…

俺に気持ちをぶつけてくれよ…


って…麻依がそんなことできる人じゃないのは俺だって知ってんじゃん…

俺も北条さんみたく麻依に甘えていたのか…

それとも浮かれすぎてたのか…



時間が遅いせいか帰りは道も空いていて、迎えに行く時よりもスムーズに俺のマンションに着いた。


車から麻依を抱き上げて俺の部屋に連れていく。

玄関で一度下ろして靴を脱がせ、また抱っこしてベッドへ寝かせた。


…全然起きないな…
それだけ疲れさせてしまったのか、俺は…


とりあえず上着は脱がせたけど…今は洋服は脱がさない方がいいよな。

まだ話もしてない段階で俺んちに勝手に泊めてるんだし。


明日…話できるかな…

俺の気持ちも伝えたいし、麻依の気持ちも直接聞きたい。

俺にぶつけてほしい。

それくらいじゃ俺は嫌いにならないからな。


…おやすみ、麻依。
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