太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

仲直り/side諒


「シャワー、ありがとう」


俺の部屋には麻依のお泊まり道具一式を常備してあるから、シャワーを終えた麻依はその下着や化粧品を使う。
あー早く一緒に暮らしたい…


「ん。朝ごはん、て言えるものじゃないけど、食べられる?二日酔いとかない?」

麻依がソファに座ると、俺も隣に座った。

「うん、二日酔いは全然大丈夫。ごはんの用意までありがとう」

「よかった。麻依はほんとにお酒強いんだね。昨日ナナエマさんに何をどれだけ飲んだか聞いてビックリしたよ」

もしかして俺より強いかもな。


「うん、強い方みたい。二日酔いってほとんどないかな、記憶を失ったこともないし。あ、昨日は寝ちゃったけど…初めてかも」

「そっか。でも俺以外の男の前で寝ちゃダメだよ?ナナエマさんや陽依さんならいいけどさ」

マジで、酔って寝ちゃった麻依も可愛かったんだから。
男が見たら持ち帰りたくなるって。

「ん、気をつけるね。昨日はナナエマと会って気が緩んだのかな。楽しかったしね、ふふっ」


あぁ…やっぱ俺、麻依がいないとダメだ…


「麻依…まだ話し合いはしてないけど…抱きしめてもいい?」

「ん…」

なんて、赤くなって俯くから…
ソッコーで抱きしめた。

ぎゅう…って、思いの強さくらい、強く、強く、抱きしめた。


「麻依…よかった、また抱きしめることができて…よかった…」

「諒…ごめんね、私…」

「麻依は謝らないで、俺が悪かったから。俺がガキで…麻依の気持ちに気づかなくて…」

「ううん…私が」

「麻依は悪くない」


俺は抱きしめていた手を麻依の両腕に添え、あの時の気持ちを話した。


「俺…麻依をほったらかしにするつもりはなかったんだ。前の日の夜さ…ブライダルフェアに行くのが嬉しくて…時間を気にせず抱いちゃってたから、俺が無理させたと思って…具合が悪いなら休んでてもらおうと思ったんだ…。あの日は下準備みたいなものだし、俺だけでも聞いておきたくて…」

「ん……」


「あと、ミキだけど…施設にいた時に俺を兄の様に慕ってた子なんだ。俺が5歳でミキが4歳か。あの頃は諒お兄ちゃんて呼ばれてた。でも俺も小さかったし、特に思い入れも何もなかったよ。俺が6歳で佐伯家に入ってからは全く会ってないし、俺は誰だかわからなかった。でもミキは毎年届く年賀状の写真で俺を見てたらしくて。10代半ばの俺を知ってたら外見は今と大して変わってないから、名前と合わせて俺だってわかったんだろうな」

「そうだったんだ…」


「ミキが担当するってことも、まぁ知り合いといえば知り合いだから…正直なところ、断ると後々面倒かなと思ったんだ。そこではないにしても、同じ会社の式場を使うわけだし、麻依の友達のとこの式場だから…あまり波風立てたくなかったのもあって。それなら式についての話を聞くだけ聞いておこうって…。でも結局ベタベタされるだけで式に関する話は全然しないし、こんなのなら断わればよかったと思ったけど後の祭りで…」

「うん…」


「今更だし言い訳にもならないけど…」


本当にな…

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