太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

「諒…私も諒じゃなきゃやなの…私だって諒を他の人に取られたくないの…だから小さなことでも嫉妬しちゃう…でもそれをいちいち言ってたら嫌われるんじゃないかって不安で…」

麻依が俺の背中に腕をまわしてギュッとしがみついた。


「麻依、俺は嫉妬されて嫌いになるような男に見える?悪いけどそんなことで麻依を離すなんてできないから」

「でも…もし…私より好きな人ができたら…早く言ってね…」

「麻依!それはないから!絶対!…万が一そんなことがあったら俺を殺してくれていい。…それくらい俺は麻依に本気だから」


麻依の不安は今ここで全て潰したい。

「あとは…何が不安?」

「わからない…ただ…嫌われたくない…ずっと私だけ好きでいてほしい…」

「じゃあ大丈夫。俺が麻依を嫌うことは絶対ないし、一生麻依しか愛せないから」

「諒は?私に不安とか、こうして欲しいとかある?」

「…俺も嫌われたくないし、俺だけを好きでいてほしい。…あと、こうして気持ちをぶつけてほしいかな。俺は全部受け止めるから」

「私だって諒しか見えてないから嫌うことはないよ。…あ、浮気したら嫌いになるかも。あと…うん、私の醜い気持ちも…伝えるようにするね」

「ん、麻依の気持ちは何だって俺が受け止めるからな。それに俺が浮気なんてあるわけないから嫌われることはないな。…よかった」


ほんとによかった…

心から安堵すると、またぎゅうっと抱きしめた。

「こうして抱きしめてると安心する…」

「うん、そうだね、安心するね…」

「じゃあさ…また一緒にブライダルフェア行こうな」

「うん、もちろん」

「よかった!あー…マジで婚約破棄されなくてよかった…」

「婚約破棄?」

「北条さんに脅された。いくら婚約してても婚約破棄って言葉もあるから、って」

「ちょ…どれだけ言われたの?」

「フ、いろいろね。でも発破かけてもらってありがたかった」

「そうなんだ…」

「あっ、北条さんに惚れないでよ?」

まぁ一応言っとこっかな。

って軽く思っただけなのに…

「んー…」

なんて人差し指をあごに当てて…
え!? まさかの惚れ直し!?

「何で!? 俺じゃないの!?」

「あははっ、冗談だよ。諒だけだよ」

「もー…すげぇ焦ったじゃん…」
マジで焦ったんだからな…

「ふふふ、ごめんね」
って首を傾げて言う麻依が可愛くて。

「ん…じゃあキスして」

眼を閉じてダメ元でお願いしてみた……ら…

麻依が俺の顔に両手を添えて、軽く、ちゅっ…ちゅっ…と何度も口付けた。


唇が離れて数秒、もう終わりかな…と目を開けようとした時、俺の下唇が麻依の唇に甘く挟まれ、舌で優しくなぞられた。

!!

やっべ、すげぇドキドキとゾクゾクが…

「ん………はぁ…」

キスしてる麻依から吐息が漏れてる…
舌でなぞられ、ちゅる、と軽く吸われる。

は、…たまんねぇ…
気持ちいいよ…麻依…


されるがままぼーっとしていたら唇が離れた。
今度こそ終わりのようだ。

俺が目を開けると、目の前に妖艶な表情の麻依がいて…胸がドクリと鳴った。

俺の中の男が目を覚ます。

抱きたい。
押し倒してしまおうか…

そう思い始めた時。


「そうだ!先週できなかった絵のモデル、今日しよっか?」

パッ!と妖艶さが消えた麻依が笑顔で俺に問う。


…ん?
さっきの色っぽい麻依はどこへ…

俺の中の男が戸惑っている。


お前さ、抱きたいから話し合ったんじゃないんだろ?
今日はこれでいいじゃないか。
あんなに嬉しいキスもしてくれたんだぞ?
それに待ち望んでいたモデルもしてくれるんだ。
だから…抱くのはまた今度ってことで。

と、自分に言い聞かせる。



「ありがとう、じゃあお願いしようかな」

「うん、いいよ」
あぁ、笑顔で麻依が快諾してくれた。

「じゃあ、その前に朝ごはん食べるか」

「そうだね、ありがとう」

あー、やっと麻依を描けるんだ…
楽しみ!
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