太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「はぁ…緊張したぁ…」

「お疲れ、麻依。頑張ったね」

諒が頭ポンポンしてくれる。
イイコイイコだと髪が崩れるから、っていう気遣いも嬉しいな。


「ふふっ、ありがとう。諒のおかげだよ」

「でも、麻依からの告白は何度聞いても嬉しいよな」

「ふふ。恥ずかしいけど…でも正直に言いたかったから」

「うん、よく頑張ったよ。夜、ご褒美あげるからね」

「それ、誰のご褒美?諒のご褒美になったりしない?」

「ん?…さ、仕事に戻ろっか」
ニコって…

「ちょ、何ではぐらかすの?」

「それにしても…さっきのハヤトさんもかっこいい人だよね、大人だし。何で麻依を好きになる男はみんな大人でイケメンなのさ。ムゥ」

「その中に諒も入ってるんだよね?ふふっ」

「俺はあんな大人じゃないし」

「そんなことないよ。それに…私が選んだのは諒で、私が好きなのは諒なんだよ?」

「…麻依……ここでキスしていい?」

「だっダメだよ!」


「そうだ、ダメだプン」

「 ! ? 」

後ろから聞こえた声に二人で振り向くと、手を腰に当てて口を尖らせたた福田くんがいた。

「福田くん!…どうしたの?」
「智さん、今日は来る日じゃないですよね?」

「用がなきゃ来ちゃだめなのかよぉ」

「そういう訳じゃないけど」

「そーいやイケメンが出てったけど、見た?お客?俳優並みにすげーカッコよかったぜ?もしかして麻依に告りに来たヤツだったりして?ハハハ」

「忘れ物を取りに来られた人だよ」

「ふーん」

「そんで麻依の元カレ」

「ふーん……は?…はあぁ!? 元カレぇ!? あんなイケメンと付き合ってたんか!?」

「…だいぶ昔だけど…」

「マジか…昔からどんだけイイ男にモテてんだよ…」

「智さん、それだけじゃないですよ。もう一人の元カレも大人イケメンだし、麻依のお母さんの会社の人で一目惚れしたって人も大人イケメンですよ」

「…やけに詳しいけど、お前それ、そいつらに会ったことあんのか?」

「えぇ、会ってますよ。で、お二方ともなぜか俺を気に入ってくれて」

「マジかぁ…お前もイイ男だもんなぁ…類友ってヤツかぁ…俺も類友にしてくれよぉ…」

「智さんだってイイ男じゃないですか。な、麻依?」

「え?…あぁ、そうかも?ね」

「…なんか腑に落ちないみたいな…つか何でまだ『福田くん』なんだよ。名前で呼んでくれんじゃねぇのかよぉ」

「え?あぁ、そうだったね、すっかりすっかり、ははは」
ぺち、とおでこをはたく。

「すっかりって、忘れてんじゃねぇよぉ…諒…お前の彼女、ひどいぃ…」

「ふ、ごめんね、俺の奥さんになる人が智さんに興味薄くて」

「ぐっ……お前の方がひどくね?…」

「諒、そろそろやめてあげないと福田くんがかわいそうだよ?」

「…同情はしてくれるのか…優しいな、麻依は…言った傍からまた『福田くん』だけどな…」

「あぁごめんね、うっかりうっかり、ははは」
ぺち、とおでこをはたく。2回目。

「俺…こんな弄られキャラだっけ?…もうプンだ。今日は諒んちに泊まろっと」

「俺達明日休みで、今日は麻依が泊まりに来るからダメですよ」

「マジかぁ…これは二人のニャンニャンを覗けるチャーンス!」

「…いつもより激しいのシたいから…見たら寝られなくなりますよ?…ね、麻依?」

「ちょっと諒…なに言って…」

「麻依も激しいの、好きだよね?激しくすればするほど俺を求めて乱れるもんね」

「な…ななななに言って…」

「もー赤くなって…思い出してるの?」
クスクスと笑う諒がやけに色っぽくて…職場だというのにアワアワしてしまった。

ハタと気づいて福田くんを見ると、彼もまた真っ赤になって固まっていた。

「福田くん?」

「あ…おお俺…帰るッ!じゃーなッ」

そう言うと、ぴゅー、という効果音が似合う走り方で去って行った。

「さ、これでウチには来ないね」

「諒…やりすぎ…もぅ…顔が熱いって…」
私が手でパタパタ扇いでいるとまた、

「ごめんね?お詫びにたくさんしてあげるから」

なんて言うもんだから、熱さが引かなくて…困った…




………
……………


ピンポーン

夜、諒の部屋で食事をしているとインターホンのチャイムが鳴った。

「何だろ、宅配は頼んでないよな」

「まぁ出てみたら?」

「ん…」

ピッ
「はい、どちら様で『俺オレ~、智くんだよ~開けて~』

はぁ!? 福田くん!?

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