太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

──俺は麻依の元カレって人に会ったり、智さんとか麻依に惚れてる人達ともたくさん話してるけど、それでも嫉妬で狂わないのは、麻依が彼らに対して気を持たせる様な態度を取らないからだ、ということに最近気付いた。(そりゃあ妬くことはあるけど)

だから、麻依がユリナの時よりもミキの時に嫉妬したというか不安になったんだと、今更ながら気付かされた。

…あの場で俺が(その気が全くなくとも)相手にいい顔した上、麻依の気持ちも置き去りにしたんだからな…


麻依が元カレや智さん達に対してあっさりとした対応をするのは元来の性格もあるのだろうが、俺への気遣いも大きいんだろうな…と思うようになった。

もし麻依が智さんにいい顔して2人で仲良くしてたら…その度合いにもよるけど、嫉妬と不安で狂う気がする。

だけど、俺はそれを麻依にさせたんだ…

と、何度目かわからない自己嫌悪に陥った。


…ふぅ…



「…諒?どうしたの?」

あれ、酒飲みながら考え込んじゃってたみたいだな…

「ごめん、ちょっと考え事してた」

「何だなんだぁ?他の女のことかぁ?」

「違いますよ」

「どうしたの?大丈夫?」

「ん…ちょっとまた自己嫌悪に陥ってた。ミキの件で麻依に辛い思いさせたことを思い出して」

「諒…私はもう全然平気だから、そんなに考え込まないで」

そう言うと、俺の頭をぎゅうと抱き締めてくれた。

「ん…ありがと、麻依」


身体を離して俺に向けてくれた優しい笑顔に癒される…

「ふふっ、じゃあ、ちゅーして?」

はい!?
「…麻依、酔ってる?」

「え?ううん、まだ酔ってはないけど?」

「…ちゅーしていいの?」

「うん、…え、してくれないの?」

「…智さんいるけど、いいの?」

の問いに麻依が、ハッ!て表情を見せた。


「ちょ、俺の存在…」

「ごっごめ…まじですっかりすっかり…」

あははは~って赤い顔してひたいをぺちってはたく麻依が…かっ可愛すぎる!!

もし次に同じようなことがあったら…ぜってーちゅーする!



「…つーか麻依、お前ペース早くねぇか?」

「そう?いつもこんなものだけど」

「悪酔いすんなよ?」

「ん、気をつける」


なんて…麻依と智さんの馴染んだ会話にちょっと妬けてたら、缶チューハイ片手に麻依が俺の唇を人差し指でツンツンした。


「諒…コレはどしたの?」

あっ、ムゥの口になってたのか!

「ふふ、智くんとのやり取りに妬けた?」

〝智くん〞

…わざとだ。
麻依はわざと俺を妬かせてる。


いいの?もっと妬いちゃっても。

そんな目で麻依を見ると、麻依の目は『いいよ?』と言ってるかのような…オンナを漂わせてた。

だから…その人差し指の先をちゅっとキスしてから、ぱくりと咥えた。

麻依の目を見つめながら、俺の口内に入った人差し指の先を舌でつついて…舐めて…最後にちゅるっと舌と唇で包んだ。

「ん…」
人差し指を俺の口から抜いた麻依が真っ赤になって、それがまた可愛いんだ。


「なななななにお前ら…」

見ると智さんまで真っ赤になってた。

「もぉ…諒ってば…」
って言いながら、麻依がその人差し指をちゅぷ、と咥えたもんだから、それ見た智さんがプチパニクった。

「うわぁぁ、ちょ待て、お前ら…俺を…俺の存在を忘れないでくれ……はー…ここまで濃厚だとは…」

「今のはそんな濃厚じゃないですよ?」

「いや…アレだな、美男美女がやるからイヤらしさが倍増すんだな」

「イヤらしさって…指舐められただけだし」

「や、充分イヤらしいぜ…お前らがやるとな」

「なんだってさ、麻依」

「ムゥ…」

「あっ、じゃあ今度は俺がツンツンしようかな」

「っ!諒、ダメ…止まらなくなるから…」

「だぁーーー!お前らは何やっても何言ってもイヤらしい!よし、飲もう!ワイン飲もう!」


「じゃあグラス持ってくるね」
「ん、ありがと」
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