太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

ドキドキワクワク前撮り!/side諒

今日は記念写真の前撮りで、2人でフルールさんにやって来た。

当日だと慌ただしくなるだろうし、別撮りで落ち着いて撮りたいってのもあったけど、何よりドレス姿の麻依を何度も見られるんだよ?最高じゃん!



「諒さん、麻依さん、今日はドレス撮影ですね!私も楽しみにしてました!」
北見さんがワクワクした面持ちで言う。

「私も私も!どんな仕上がりになるかしら~この2人ならスゴいのができそうだよね~」
千紗さんまですごい張り切りよう。


「ふふっ、千紗までそんなこと言って。でも私も今日は楽しみたいな、ね?」
俺に笑顔を向ける麻依が可愛くて、俺も自然と同じ笑顔になる。

「ふ。俺、すっげー楽しむよ」

「では控室へご案内しますね。控室ですが、更衣室と兼用なので便利ですよ」


〝Dressing Room〞と書いてあるやや広めの部屋に入ると、ハンガーラックに掛かっている俺のタキシードと麻依のドレスが目に留まった。

そして、目の前にはテーブルとソファ、鍵の掛かるロッカーなどがあり、リビングの様な開放的な空間が広がっている。


その奥には中央に仕切りがあり、奥に男女其々の更衣ブースがある。女性側にはメイク用の大きなドレッサーも見えた。

更衣ブースはカーテンがあるけど、それ以外は丸見えだな、とか思ってたら、仕切りのある場所に目隠しのパーテーションが置かれるそうだ。


「ウチはドレスアップした姿をお互いが一番に見られるように、新郎新婦の控室で支度しているんだ。あ、別室にもできるけど、同じ部屋でいい?」

千紗さんが聞いてきたから即答する。
「当たり前じゃないですか。俺よりも他の男が先に見るなんて許せないですから」

「ちょ、諒ってば…」

「だよね、諒くんならそう言うと思ってた」
「ですよね、うふふふ」

千紗さんと北見さんには俺の麻依への愛の強さを理解してもらえてマジで助かる。


「じゃ、それぞれ着替えようか。っとその前に紹介だけしとくね」

と、千紗さんが男女2名のスタッフを呼ぶと、まず男性が挨拶した。

「諒さんの担当をさせて頂きます葛西(かさい)と申します。宜しくお願いいたします」

眼鏡をかけた優しげに見えるスラリとした男性。
30代かな、落ち着いてる感じがコーヒー店のマスターみたいなイメージ。


「お世話になります。宜しくお願いします。千紗さん、俺の担当は男性なんですね」

「うん、ウチは新郎さんには男性スタッフをつけてるの。着替えのためとはいえ自分の旦那に他の女がベタベタ触ってたら嫌じゃない?って意見がスタッフから上がってね。それに男性同士の方が新郎さんも恥ずかしくないだろうし、着た感じとかもわかってもらえるでしょ?」

「すごいね!千紗、素敵な考えだね」
「そうですね、そこまでこだわるって…なるほど、勉強になります」
「そうだね、諒、ほんとに勉強になるね。ソレイユでもちょっと何か見直そうかな」

ソレイユでも気付ける事はないかと一瞬考えて、つい仕事を口走ってしまったけど、それに嫌な顔どころか同じ考えをしてくれてる麻依がより愛しくなる。

「で、こちらが麻依の担当ね」

と今度は女性が挨拶を始めた。

「麻依さんの担当をさせて頂きます中野と申します。宜しくお願いいたします。他にお手伝いで女性スタッフが2名入りますね」

穏やかそうな人でよかった。

「はい、宜しくお願いいたします」


「それじゃあ着替え、始めましょ!」


おっと、ブースに分かれる前に…

「麻依、楽しみにしてる」

「ふふっ、諒がどんなに素敵になってるのか私も楽しみしてるよ」
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