先生。~ 放課後の教室 ~

* Story 6. バレンタイン *

2月。


私たちのクラスではバレンタインの話で


盛り上がっていた。


「今年もみわちゃんとはるちゃんにチョコあげるね!」


「うちも2人にあげる!」


「私もみわとあゆちゃんにあげるね〜」


2人からの友チョコ、楽しみだな~。


「津田先生にはあげないの?バレンタイン」


心優がぼそっと私に言った。


「んー...、あげたい。でもみんなにバレたらどうしよ...?」


もちろん" 本命 "だし。


バレンタインのチョコを作って渡したい。


だけど、もし渡したことがみんなに


伝わってしまったら…?


「全然大丈夫だよ?」


「え?」


心優は淡々とした口調で言う。


「吹奏楽の先輩も何人か津田先生にあげてたよ。


全員が知ってるわけじゃないと思うけど、


吹奏楽の人は少なからず知ってるんじゃないかな?」


心優の言葉に愛結美も共感する。


「うんうん!!私も知ってる!津田先生以外にも


他の先生たちにも渡してたよっ」


「そうなの?」


…だったら。


津田先生にあげてみていいかな。


日頃の感謝も込めて。


「先生に渡してみたら?」


「…じゃあ、頑張ってみる!!」


「応援してるね、はる」


「はるちゃん、ファイトー!」


男の人にバレンタインをあげるのは初めてだけど。


…津田先生、喜んでくれたらいいな。
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