愛され相馬くんの話
おまけ
「ごめんね、陸さん。いきなり呼び出したりして……」








某漫画喫茶。


夏樹は、真剣な面持ちで陸を見つめた。






「別に気にしていない。……オレも、もうそろそろ話さないといけないと思っていたところなんだ」



そう言うと陸は
先程頼んでおいたコーヒーを一啜りして本題に入る。



「最近、相馬さんが可愛いすぎて困る……」


「へぇー、僕も龍太郎くんが可愛いすぎて困ってるんだ!」




そう、この二人が漫画喫茶の個室に入って話すことと言えば
《自分の嫁》の惚気話。



「この前なんか、あの素晴らしい尻でオレを最高に満足させたんだからな」


陸の口角がニヤニヤと釣り上がる。


「龍太郎くんも、《夏樹のしゃぶってやる》なんて急に言い始めてさ……!積極的な龍太郎くんって可愛いすぎて、僕も凄く満足したんだ!」

「ほう……、中々の可愛さだな龍太郎も。……だが、オレの相馬さんの方が何百倍も可愛い」

「へぇー!相馬さん、可愛いじゃないか!プリケツはかなりの萌えさ!……………まぁ、龍太郎くんが一番萌えるけど」

「あと、夕食を作っているときの相馬さん。……なんだか本当の妻みたいだった……あの時のエプロン姿はつい欲情してしまった」

「龍太郎くんもねー。僕の制服のボタンが取れたときに、徹夜して直してくれたんだよ!……あぁ、もう、あの制服は勿体なくて着れない……!」

「いつか、ダブルデートさせたいな。……勿論、ホテルの予約はオレがとる」

「えー本当に!?しよしよ!ダブルデート!!僕の龍太郎くんの可愛さに惚れないでね」

「そっちこそ、オレの相馬さんの可愛さに惚れんなよ」



フフフフッと二人が愉快そうに笑う。


……心底不気味な部屋だ。



「デートの場所どーする?」

「オレ的には、水族館とかに連れていきたい。あそこは薄暗いからな、いつでも手が出せる」

「あー!!なるほど!水族館かあ!!いいねー!」


変態二人はさっそく水族館で
たっぷりと大人のスポーツを楽しむつもりだ。


……嫁二人がいたら既に半殺しである。


「じゃぁ、お昼と夕食の場所は僕に任せて!!………勿論部屋は?」

「別々の個室に決まってるだろ……!」

「了解……!音漏れしない部屋を探しておくね!」

「じゃぁ。デートプランも決まったことだし、お開きにするか」

「そうだねー!じゃぁ、また当日になー!」























「ねぇ……相馬さん。今度一緒に夏樹達と水族館……」

「なんか、良からぬこと考えてそうだから嫌」

「…………か、考えて……ないよ」
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