カレンダーガール

side 明日鷹

イライラ。イライラ。
俺は無性に腹が立っていた。
元々、感情を表に出すことは苦手だ。
小さい頃から、忙しい両親の代わり使用人たちに囲まれて育ったせいで、いつの間にか感情を出さないようになった。
俺のせいで誰かが叱られたり、怒られたりするのが嫌で、いつも周りに気を遣っていた。
その俺が今、凄く怒っている。
原因は、最近不自然に俺を避けようとする桜子と、親友の剛。
今日の昼も、2人で分け合ってランチをとる姿を見かけた。
2人が、深刻そうに話し込む様子が無性に俺を苛立たせた。

「・・先生。森先生」

ん?
気がつくと、内視鏡スタッフが呼んでいた。

「ごめん。何?」
「検査準備できました」
「はい」

ダメだダメだ、今は仕事に集中。
検査室では患者さんが待っているんだから。

「お願いします」
一声かけて気合を入れてから、俺はカメラに入った。
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