Lemon Sour〜愛を信じたあの頃〜

☆疑惑☆

☆疑惑☆

翌朝目が覚めて、目の前にいる君
まつ毛長いなーとか思いながらボーッと見つめていると、パチっと君も目を覚ます

慌てる私

そんな私を見て、ユーマは腕を広げて囁いた





「おいで?」



まるで猫や犬をこさせるように
優しすぎるほどの声は、私の胸に真っ直ぐ刺さった

逆らえるわけがない

身体は言われるがまま、子猫のようにユーマの胸に飛びついた

包まれる温もり
筋肉質の太い腕
十分すぎるほどの包容力


昨日の今日で、これはずるくない?


アリと言われた翌日、世界はワントーン明るく見えた
いつも、心の中では不安と戦っていた
笑顔でも、どこかで迷いがあった
それが今、進む道を示されたみたいにハッキリしている
明らかに一歩進んだのが目に見える

最終的にどうなるかなんてわからないけど
今歩いている道は間違いではないだろう

恋の力ってすごい
たった一つの出来事で全てを活性化させる
仕事へのやる気が先週と比べてまるで違う
カタカタと、社内に響くPC音
鳴り響く電話の応答
営業に行く足取りでさえ、軽く感じた



「で?で?」

ウキウキと次を急かす目
週1のコンちゃんとの女子会

先日の出来事の報告を、どう伝えようか
慎重に言葉選びながら、ゆっくり話した

「まぁ…アリって…」

「きゃーーーーーー!!!」

ガヤガヤしている店内に、黄色い声が響く
声でかいよ…

でもニヤけている自分もいて、嬉しい報告ができるのが嬉しい

「てことで、もう少し頑張ってみようと思います」

自分でもわかる
今の私は、今までになく幸せに見えるだろう


目を逸らした瞬間、コンちゃんの目に何か感じたけど、気のせいかな
まあ、いっか
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