Lemon Sour〜愛を信じたあの頃〜
「来ったぁ〜!はい、まず乾杯〜!」

「うわっ、ちょ!溢れてる溢れてる
もぉ〜!!」

「アハハ、ほら俺2倍飲んでやんなきゃいけないんだから、はーやーくー」

言ったことはちゃっかり守る

そして君が楽しそうに無邪気に笑う


キュウゥ…

あ、まただ
その笑顔に、私は一生勝てない

君が笑うと、時間が一瞬止まる
周りの音が聞こえなくなる
そしてその太陽を見る度、私の鼓動が風を切る
うるさいメトロノームが、段々テンポを上げていく

お酒のせいだと言い聞かせてた

だけど…


もっと見たい

もっと笑ってほしい

私が君を笑わせたい

君の笑顔、私が独り占めしたい


まだ知らない顔も
知らない声もあるなら

見せて?
聞かせて?


もっとたくさん君のことを知りたいから


色んな君を見たいよ




「うぅ〜」

ガンガンする頭とゆらゆら揺れる視界
あ〜やばい…

「大丈夫?」

「わかんにゃい…
責任取って…」

これで飲ませた人は帰るとかありえないから…

「はいはい、うち泊まっていいから、駅までは歩いて」

へ?そっち?
ここでオールコースじゃないの?
あ、明日バイトだっけ?寝ないと死ぬな

うちまで帰るには乗り換えがあるから面倒くさい
ていうか、帰れない、とりあえず寝たい…
電車で寝たら起きないだろうな、起こしてほしい


難しい…


この頭で難しい事考えたくないからとりあえず言われるがままついて行くことにした

「明日バイトら〜」

「うちから行きな
起こすから」

わーい
寝れる場所と、起こしてくれる人確保〜♪

なんで呑気に笑う私をユーマは支える


なにも考えられないまま、電車に乗って目を覚ますと、知らない駅に着いた

「はい、降りるよ」

ちょっとはマシになった


「あ…」

ふと見ると、ユーマが私の重いバックを持ちつつ、手を差し伸べていた

手を取ると、バランス崩さないように、ゆっくり、かつ力強く引っ張ってくれた


私のバック、重いはずなのに…
ユーマ自分の荷物もあるのに…

大学生のバックはそう軽くない
ノーパソだって入ってる

それなのに、片方で2つ持ちながらもう片方で私を支えてくれる

「家まで徒歩15分だけど、歩ける?
タクるか」

「…」


「寝てていいよ」
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