片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。


「心茉さん、息子とは部が一緒なのかい?」

「はい、同期入社の仲ですので私は仲がいいと思っておりますが……」

「そうなのか! それはいい!」


 ……何がいいんだろうか。


「醍醐社長、ここは若いものに任せて一緒に飲みに行きませんか?」

「いいですねぇ……行きましょう!」


 えぇ! ここで、残して行く!?
 私の思いとは裏腹にもうすでに盛り上がっている父二人。


「じゃあ心茉、ゆっくりしてくるんだよ。ね? 蒼志くん娘をよろしくね!」


 そう言って嵐のように出ていった。出ていった個室には静寂した空気が流れる。

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