マーメイド・セレナーデ
てか、乗ることは決まってるのね。

両足の汚れを落し終えた翔太はあたしを助手席へ移動するように言ってドアを閉めた。


てかドア閉めたら移動できないじゃない。それに別に助手席じゃなくてここでもいいはず。


運転席のドアを開けて乗り込んだ翔太は動こうとしないあたしを振り返ってまた眉間にしわを寄せた。



「こっちこいっつってんだろ、」

「別に後ろでもいいじゃない」

「前、来い」

「なんでよ、」



あんたと隣にならんで座るのは嫌なのよ。
ただでさえ、車っていう密室に2人きりっていうのを耐えてるのに、隣になんて。
< 10 / 302 >

この作品をシェア

pagetop