マーメイド・セレナーデ
「怒らしちまった?翔太も堪え性ねぇなぁ」
我が物顔でソファーに座り、あたしに同意を求めるこの人はケラケラ笑う。
初対面の牧さんは人見知りをしない性格なのか次々に話題を振ってくる。
けれど曖昧な返事をしても特に気にする様子もない。
「そーいや真知ちゃんってアパレルで働いてるって?」
「え、あっ、はい」
意識が閉められたあのドアの向こう側に集中していて変な声が上がってしまった。
「あ、あのちょっとしたブランドなんですけど……」
ブランド、といっても万単位の商品ではなくて高校生や大学生にお手軽な値段でここ数年に起業して一気にトップブランドまで上り詰めた。
雑誌にもよく提供していて見ない日はない、といっても過言ではないわ。
我が物顔でソファーに座り、あたしに同意を求めるこの人はケラケラ笑う。
初対面の牧さんは人見知りをしない性格なのか次々に話題を振ってくる。
けれど曖昧な返事をしても特に気にする様子もない。
「そーいや真知ちゃんってアパレルで働いてるって?」
「え、あっ、はい」
意識が閉められたあのドアの向こう側に集中していて変な声が上がってしまった。
「あ、あのちょっとしたブランドなんですけど……」
ブランド、といっても万単位の商品ではなくて高校生や大学生にお手軽な値段でここ数年に起業して一気にトップブランドまで上り詰めた。
雑誌にもよく提供していて見ない日はない、といっても過言ではないわ。