マーメイド・セレナーデ
間奏曲4


知らない振りして、その手を払う。


縋る眼を見えない振りして、目を逸らす。


不安そうな目は、いつも俺を揺るがす。
けれど、拳を強く握ってやり過ごす。


あと少しで。
もうそんな目はさせない。
させたくない。


だから、俺は振り返らない。

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