マーメイド・セレナーデ
狭い通路を通り向けて人のざわめきが届く広い空間に出たと思ったら少し先に警備員が立っているのを見つけてびっくりした。

翔太は警備員が立つくらいのことをしてるの?
あたしが今いるところは関係者以外立ち入り禁止だってのはわかるけれど。


けれど驚きはそれだけじゃなかった。
警備員が立つもっとその奥。

テレビの中でしか見たことがないけれど、あたしでもわかるテレビカメラや腕章をつけた記者のような人たち。

思わず立ち止まってしまって見入っていると肩が叩かれた。



「驚きました?このプロジェクト、結構大きいものですからああやってマスコミも呼んでるんです。車の中からもテレビ局の車が見えたんですよね?」

「ええ、確かに見えたわ。でも……」



こんなこと想像してなかった。
ただただ見ているともう始まりますし、行きましょうと背中を押された。
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