マーメイド・セレナーデ
「ずっと言いたかった、」



ほっと、楽になった表情を見せる翔太。

あたしはきらわれたくない想いを隠して隠して、きらいになったのに。



「真知……」



近付いた翔太と囁かれる声にあたしはもう抵抗を忘れた。
ソファーに押し倒されたときテーブルに置いた冷めたココアのカップが倒れ白い絨毯に染みが広がる。


だけど、そんなことあたしには、………あたしたちには関係ない。
ただただ貪り合って、お互いを求め合う。


翔太の首に腕を回して、一生懸命翔太に応える。
あまりうまくないけど懸命に舌で応える。

唇が離れたとき、眼を開ければ近くに翔太の顔があって眼を泳がしてしまう。
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