御曹司様はあなたをずっと見ていました。
私の名前は 佐々木 梨沙(ささき りさ)、大手製薬会社のデータセンターに勤務している。
入社3年目の24歳。

私は小さい頃から祖父母に育てられた。

それはまだ私が幼稚園の時のこと、両親と車で買い物に行き、暴走してきたトラックと正面衝突してしまったそうだ。
両親は私を庇う様にして命を落としてしまったのだ。
幼い私はその当時の記憶がない。
解離性健忘と言われたが、私は辛い気持ちを自分の中へ封印してしまったのだと感じている。

その事故以来、祖父母は私を心から慈しみ大切に育ててくれたのだ。
そんなおじいちゃん、おばあちゃんが私は大好きだった。

しかし、おじいちゃんは昨年病に倒れて天国へと旅立ってしまった。
とても仲の良かった祖父母。それからというもの、おばあちゃんは体調を崩しがちで、私はとても心配している。

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