年下御曹司の箱入り家政婦


「これで皆ずっと元気で幸せだね」

櫻ちゃんが言うと本当にそうなるような
気がしてくるから不思議だ。

「櫻ちゃん、私...」

優しい眼差しを向ける櫻ちゃんに
“この先もずっとあなたと一緒にいたい”
そう伝えようとしたその時、
櫻ちゃんはハッと何か思い付いたように
再びネクタイピンを握り締めた。

「あっ、それから出来れば
羽菜ちゃんと少しでも早く結婚できますように。
それと可愛い子どもが何人でも良いので
ほしいです。
そして、おじいちゃんおばあちゃんになったら羽菜ちゃんを一人残すのも僕がのこされるのも嫌なので二人一緒に天国に行きたいです」

そしてブツブツと懸命に拝みだした。

四葉のクローバーにそこまでの効力を求めるなんて酷だわ...

「フフッ、櫻ちゃんは欲張りね...」

四葉のクローバーに向かってお願いする櫻ちゃんの隣で
私は窓の外の青く広がる空を見上げると
幸せな未来を描いた。
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