偽りだらけの私の世界に、本当をくれたのは君でした。
 「おはようございます。今日は先生に呼ばれていたので。登校時間になるまでここにいようと思います」

 誰もいないと思ってたのにな・・・。

 中には、一学年下で書記の不知火さんがいた。

 朝から真面目だな。

 不知火さんの机には資料がたくさん置いてある。

 「手伝いましょうか?」

 「大丈夫です。僕に任された仕事なので」

 にこっと微笑んで断られた。

 相変わらず、綺麗な顔。

 不知火さんは多分学校でも一位二位を争う美少年だと思う。

 「違ったら申し訳ないんですけど、先輩が今日早いのって作文の件ですか?」

 「・・・はい。すごいですね、何で分かったんですか?」
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