偽りだらけの私の世界に、本当をくれたのは君でした。
 告白は何回もされたことがあるけど、好きだと思わない人と付き合うのも失礼だ。

 いつか、そういう大切な人はできるのだろうか。

 ふぅ・・・と1人息を吐いた。

 今はそんなこと考えてる暇はない。

 目の前のことに集中しなければ。

 ***

 「では、人権作文コンクール、最優秀賞。三年B組赤崖夜天、二年A組不知火空翔」

 全校の前で呼び出された私と不知火さんは静かに立ち上がって、壇上に上がる。

 最初に不知火さんが、読み上げる。

 ゆっくり、聞き取りやすく読まれていく。

 ・・・泣きたくなる、声。

 そう、思った。

 紙を見ないで、前を見て少しだけ微笑んでいる。

 そんな不知火さんに、みんなは息を呑んで見ている。

 中には、顔を赤くして泣いている子もいた。

 それだけ、不知火さんはすごかった。
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop