【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ

本当ならここで駅に向かうところだけど、俺にはもうひとつ目的があった。

午後1時の集合の約束までにはまだ時間がある。


地図アプリを片手にきょろきょろ辺りを見回しながら、俺は商店街に足を運んでいた。


隣駅とはいえ、ここの駅で降りるのは前に1度あったかどうか。

だから目新しい景色ばかりが広がっている。


ふと、女性用のアクセサリーショップを見つけ、俺は入店した。


店内は店員も客も女性ばかりで肩身が狭い。

突き刺さるような視線を感じつつも、目的のために店内に視線を走らせながら進んでいく。


目的――それは、小坂へのプレゼント探しだ。

昨日、小坂からペンダントというプレゼントをもらってしまった。

小坂には出会ってからもらってばかり。

だから俺もなにか少しでも返したいと思ったのだ。
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