【完】永遠より長い一瞬を輝く君へ

力のない動きで悠樹を見上げれば、悠樹の視線は俺の胸元に注がれていて。


「そんなペンダントなんて着けてたっけ」

「……え……?」


震える眼差しで胸元に視線を落とした俺は――……、


「兄さん? どうしたの!?」


動揺した悠樹の声が降ってくる。

けれど、俺は堰を切ったように溢れてくる涙を止められなかった。


「……っ、ううっ……」


そこには、紗友が俺にくれた羽のペンダントが輝いていた。


ペンダントを握りしめれば、そこにあることを実感することができて、それは余計に涙の波を増幅させた。


瞼の裏に、花火大会で俺にこのペンダントをくれた時の紗友の笑顔が甦る。


紗友がいた証はここにあった。

たしかに、たしかにいたんだ。紗友は。


どんなに強くこぶしを握り締めようと、どんなに歯を食いしばろうと、溢れ出てくる涙を止めることなんてできなかった。

悠樹の前であることも忘れて、俺は涙を流し続けた。





< 155 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop