原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「ロージー、ロージー! どうしたんだ?」

 慌てた様子のメイドに呼ばれて庭園に出てきた
オスカーが見たのは、ぐったりとした義妹ロザリンドと、彼女を抱きかかえて揺さぶる婚約者のウェズリーの姿だった。


「待て! そんなに揺らすな!」

 急いで駆け寄ったオスカーに、ウェズリーはあわあわと説明しようとする。


「俺は何もしてないっ!」

 オスカーはそれに答えず、彼の腕からロザリンドを奪った。


「オスカー信じて、本当だ……
 ロージーがひとりで興奮して気を失ったんだ」


 オスカーは慎重に地面に座り、自分の膝の上に
ロザリンドの頭を乗せた。
 そして彼女の額に掌を当て、発熱していないことを確認した。
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