原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 自分も何度となく使用したのに、現実にはあり得ないと思っていた設定。


『異世界転生』


 ……自分が自分の作品の、お気に入りキャラの
オスカーの義妹で、モブキャラのロザリンドに転生したのだと、気が付いた。


「お、お義兄様……」

「大丈夫か? 何処か痛みがあったり、苦しいところはないか?」

「はい、大丈夫です……」


 自分が作ったキャラなのに、オスカーはホナミの一番の推しだ。
 ロザリンドの自分は義妹だが、こんなに彼に抱き締められた事などないし、これからもないだろう。


 こんな機会はもう二度とない。
 素早く状況を把握したロザリンドは弱々しく微笑んで見せた。


 オスカーが安心させるようにうなづきながら、彼女の頬に掌を沿わせて、瞳を覗き込んできた。


 そのあまりの身近なドアップの破壊力に、くらくらしてロザリンドは息が止まりそうになった。



 好き、大好き!
 ぎゅっとして! キスして!
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