原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
( あのミシェルの恋人になんか、なりたくない)
 それがオスカーの本音だ。


 自分がオスカーに転生した以上は逃れられない事なのだろうか?
 異世界転生、異世界恋愛がテーマのマンガを主にしたコミック誌の編集者だったので、『物語の強制力』については知っている。


 この『乙女は愛を知って花開く~底辺令嬢ですが王太子殿下に溺愛されています?~』(略して『乙花』) は、ヒロインのミシェルがフライ男爵家に引き取られ、王立貴族学苑に入学するところから始まるので、彼が15歳で高等部に進学するまでは、ミシェルは現れない。


 それでそれまではストーリーを気にすることなく過ごすことが出来たので、オスカーは出来ればこのままで、ミシェルと関わることなく居たかったのだ。

 何故なら、ミカミヒロキは本音では物語のヒロインのミシェルが好きではなかった、から。
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