原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
「義妹をお褒めいただきましてありがとうございます、と言うべきですか?」

「お前は相変わらず、俺に対しても愛想のない
ヤツだね」

「……」

「気に入って貰おうとへいこらするヤツより、俺はお前を側近にしたいんだけどな」


 その言葉通り、ランドールはオスカーを気に入っているようで、周りに側近達が居ない時等は彼に対して本音を漏らすこともあった。

『今の側近なんて俺が選んだ訳じゃないからな』と。


「彼女、お前にべったりだな。
 お前も息抜きしたいだろ?
 俺がダンスを申し込むから、お前はその間に羽根を伸ばせばいい」


 第2王子から言われたら、それは提案ではなく命令だ。
 ここは学苑ではなく王城で。
 苑内での自分の事なら断れても、王城内で侯爵家に関係する事だと塩対応は出来なかった。
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