原作者の私ですが婚約者は譲っても推しのお義兄様は渡しません!
 ロザリンドは少しムカついていたので、つい口走ってしまった。
 両親は養子にした出来の良いオスカーを、手放したくはない。
 武闘派ロザリンドには、しばらくは縁談は来ない。
 だったら、解決法は1つじゃないか。



「お義兄様が私と結婚してくれたらいいのよ!」

「え?」

「ね、これで全部解決!」


 驚いて固まってしまった家族3人の顔を見回してロザリンドは微笑んだ。
 勢いで言ってしまったけれど。
 3人一緒に話を切り出せて良かった。

 これから個別に説得するなんて、時間がどれだけかかるのだろう、とその道のりを想像してげんなりしていたのだ。


 今からオスカーとの婚約を認めて貰えれば。
ミシェルとの可能性は完全に潰せる。
これは神様がくれたタイミングだったのだ。
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