かげろうの月
エピローグ
        
 借金と共に帰って来てから3年後、尚哉はまた浮気を始めた。

 それが『私のたった1人の尚ちゃんへ』を書いたのが2度目の浮気相手だ。

 字体や文章から察すると、かなり若い子だろうと想像できる。

 もしかしたら、この世の中に尚哉のDNAを受け継いだ子供が、もう1人居るかもしれないことを知って、私は本当に驚いた。

 手紙には3度目の正直と書いてあったが、それは……2度流産したという意味なのか……。

 もう1人の子供の事を、夫に問い詰めて、真相を聞き出したかったのが本音だけど、それは出来なかった。

なぜなら、あの手紙は尚哉の鞄の中から、こっそりと盗み読みしたので、これがバレると大変な事になりそうなので、子供のことは、私の胸の中に仕舞い込んだ。

 手紙の後半の方は、2人が愛し合っていることを強調して、子供を産むから、私と一緒に居てと、アピールしているように思えた。

 前半では、1人でも産んで育てると書いてあったが、本心は私から尚哉を奪い取りたいと思っているように読み取ることも出来る。

真実は何処にあるのだろう……。

2人を追求しない限り、真実は永遠に闇の中だ……。
< 30 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop