嘘も孤独も全部まとめて
甘くない現実
あれ?


目が覚め、ボーッとした頭で周りを見回す。


あ、そっか…。

あたし、透の家に居たんだ。


昨日仕事に行くと言っていたのに、結局家まで一緒に帰ってきた。


『んじゃ行ってくる』


あたしが玄関に入るのを見届けると、キスをしてそのまま出勤した透。

その後、自分の荷物が何もないことに気が付いて中川さんに電話をして。

結婚したことを報告したら、耳が潰れるかと思うほどの声量で驚かれた。


『何でそんな大事なこと言わないの!』


そう言われたけれど突然のことだったから、結婚した実感はあたし自身正直まだない。
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