嘘も孤独も全部まとめて
涙のバージンロード
結婚式当日──。

前日からの雨が残る肌寒い朝だった。


「今日雪になるって言ってたけど、皆大丈夫かな…」


「ま、ここらじゃ滅多に降らないからな」


結婚式といっても透の親族や仕事仲間の人達ばかりで、あたし側の出席者はコタンの中川さんだけ。

元々家族とも疎遠で、知り合いという知り合いも居ないあたしとは参加人数が釣り合うわけもなくて。

仕方ないといえば仕方ないんだけど、こんな一大行事に招く人が居ないというのは恥ずかしいというか寂しいというか…。

少し複雑な感じ。
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