嘘も孤独も全部まとめて
男の手に引かれ、昨日見たマンションに戻ってきた。


「ねぇ、いい加減手離してくれない?」


「離したらお前逃げるだろ」


「逃げないって」


逃げてもすぐに捕まりそうだし…。


振り返りあたしの目を見てくる。


「な…何だよ……」


あたしの質問にも答えない。


「ねーってば!」


腕を振ると、ようやく離してくれた。

鍵を開け部屋に入る。

たった一日過ごしただけの場所なのに、なぜかホッとした。
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