雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「中島さん、これって」

私の出した企画書に風見係長が困ったような息をつく。

「風見係長、お願いします。どうしてもこの企画を今度の創立記念パーティーでやりたいんです」

風見係長が頭をかく。

「うーん、雨宮課長に内緒っていうのがな。だって雨宮課長が司会進行をする訳だし。企画の全部を把握しとかないといけないだろ。それに宣伝部にも話を通さないとだし」

「宣伝部にはもう話はつけてあります。大丈夫です」
「中島ちゃん、何の悪だくみ?」

横で話を聞いていた栗原さんが興味深そうな顔をする。

「何ですか? 風見係長が渋るなんて面白そう」

まりえちゃんも乗って来た。

「僕たちまたどこかに飛ばされませんよね?」

無口な後藤さんまで入って来た。

企画書をみんなに見せると、「やりましょう」と風見係長以外が賛成をした。という訳で、創立記念パーティーまで残り十日。私のびっくり企画に向けて庶務係が動き出した。
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