離婚前提から 始まる恋
「ここ?」
「うん、私がお気に入りのショップなの」

やって来たのは自然素材の店『コットンハウス』。
一年ほど前に見つけてから気に入ってよくやって来ているセレクトショップだ。
ここで杏と拓馬君にプレゼントを買うつもりでやって来た。

「すごいわね、いろんなものがあるのね」
「うん、綿素材の服やパジャマもあるし、タオルやクッションもとっても手触りがよくて使い心地が良いのよ」
「うん、確かに気持ちいい」
並んでいたバスタオルを手に手を伸ばした杏も、気に入ってくれた様子。

「いらっしゃいませ」
声をかけてくれたのはオーナーの美貴さん。

「こんにちは」
すっかり常連になった私も、商品を見ながら挨拶を返す。

美貴さんは半年前に産休から復帰したばかりで、私にとっては唯一の先輩ママさん。
最近では買い物をしながらいろいろな相談をしたりもする仲だ。

「花音さん、よかったらお茶でも入れましょうか?」
店の奥から、大学生バイトの沙月ちゃんが現れた。

「お願いします。杏、お茶を飲むでしょ?」
「う、うん」
返事はしたもの、杏の視線は沙月ちゃんにくぎ付けになっている。

フフフ。
どうやら杏も気が付いたらしい。
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