プラトニック ラブ

緊張感




菜乃花とは校門で別れ、2人は西門側のパーキングに待機しているタクシーに乗車。
オフィス街に囲まれているビルの2階にあるファミレスへとやって来た。

ランチタイムという事もあり、店内は親子やサラリーマンなど多くの客で賑わっている。





窓際に座りふと外を眺めると、道路を挟んだ向かい側は公開ラジオのブーススタジオがあった。

今は放送中なのか、ビルのガラスを囲むように、10代後半から20代半ばくらいの若い女性の人だかりが出来ている。

その数ざっと見ても30人以上。
スタジオに有名人でも来ているのだろうか。





紗南は腰を浮かせて前のめり気味にスタジオを眺めたが、店員がオーダーを聞きに来たので再び目線をメニューに戻した。

冴木はブラックコーヒー、紗南はレモンティーを注文。





紗南はガチガチに緊張しているせいか、膝に置く手が震える。
正面に座る冴木自身にも緊張感が伝わってくる。

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