プラトニック ラブ

残された時間



今やスマートフォンは財布と同等価値がある、このご時世。
毎日小さな情報をSNSで発信している彼にとって、スマホはファンサービスが手軽に行える商売道具の1つ。

ファンの応援があってこそ、今の彼が成立している。



でも、その商売道具を取り上げられてしまった原因は、私……。

私が冴木さんの警告を無視したから、彼にまで被害が及んでしまったんだ。





以前使用していたスマホの電話帳には、きっと仲の良い友達や家族など大事な人の連絡先だって入っていたはずなのに。





どうしよう……。

セイくんの大事なもの。
築き上げてきたもの。
長く積み重ねてきたものを奪ったのは。


全部全部。

私なんだ……。

< 121 / 272 >

この作品をシェア

pagetop