プラトニック ラブ

ストレートな想い



「……そ、ヤキモチ」

「えっ!」



直球勝負をしてきた彼に対して素っ頓狂な声が漏れた。



「俺、お前との貴重な時間もゆっくり取れないほど仕事が忙しくてハイペースな時間配分だから、恋愛の駆け引きや無駄な遠回りなんてしたくない。二人きりの時間は1分1秒でも大切だから」

「……セイくん」


「だから、気持ちは素直に伝えていくよ。お前だけは他の誰にも譲るつもりはないから」



カーテン越しから伝えられたセイの想いは、紗南の心をふわふわの毛布で包んだかのように暖かい。

紗南は感激するあまり鼻頭を赤くする。





彼は保健室で会う度に気持ちの込もったひと言をプレゼントしてくれる。
一段飛ばしの幸せを与えてくれる人。






紗南もセイのように素直になりたいと思った瞬間、ベッドから腰を上げて、2人の間を阻んでいるカーテンを2枚を開けてセイのテリトリー内に侵入。

いきなり大胆な行動に移したのは、保健室には2人きりだから。

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