プラトニック ラブ

恋のメロディ




告白しようと決断したら、胸の中で恋のメロディが奏で始めた。



トクン……… トクン………




それは…。

暖かくて
柔らかくて
くすぐったくて
愛おしくて…。


脈が暴走するほど緊張してるけど、勇気の飴が溶けて身体に勇気が染み込んでいるから、きっと大丈夫。



チャンスは先にも後にも一度きり。
2年前の自分には戻らない。

もう、二度と後悔しないと決めたんだ。




「セイくん。今からそっちへ行ってもいい?」

「うん、いいよ」



紗南はベッドから立ち上がり隣のベッドのカーテン前に立った。

セイは飴を右手に握りしめたまま起き上がり、ベッドに腰を落ち着かせて紗南の方を向き、カーテン下から両足を覗かせた。



「カーテン……、開けても…いい?」



心の準備が整った。
でも、たった1枚のカーテンを捲るだけなのに、情けなく声が震える。



「いいよ」



セイのゴーサインが届くと、紗南は大きく息を飲みゆっくりとカーテンを開けた。



すると、そこには2年ぶりのセイの姿が。



思わず感極まり鼻の奥がツンと刺激されると、また泣きそうになった。
でも、涙を堪えて我慢しないと大事な話が出来ないから、唇を強く噛み締めた。



セイくんを瞳に映したら、本当に日本に戻って来たんだなとしみじみ実感。

セイくんは数時間前にテレビで見た通り、当時茶髪だった髪は金髪に。
少し頬がほっそりしたように見えるのは、ダンスに打ち込んできた証拠なのだろうか。

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