国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「いいえ。ノアを産んだ時からです」

「ああ。では、あなたの魔力はノアくんがもたらしたものですね。あなたの治癒能力は魔力によるものでしょう。治癒に特化した魔力なのだと思います」

「どういうことですか?」

子どもがすざまじい魔力を持っていた場合、おなかにいるときに母親にもその魔力がうつるときがあるという。
その一例だとジュリアンは言った。

「それだけノアくんの魔力が強いということです。彼はもしかしたら、大陸で一二を争う魔力を有しているかもしれません」

そんな魔力を持っているとすれば、カルトナー帝国建国史に残るくらいの魔力ということになるかもしれない。
と考えて心の中で自嘲の笑みを浮かべた。

何を考えているのか。わたしは。ノアはわたしが平民として育てると決めたというのに。

「それはそうと、このラグ。もう一枚つくっていただけませんか?」

「え?」

「ぼくの部屋にも置きたいなと思って」

「ええ?こんなクオリティの低いものを差し上げるわけには!」

「いいえ。とてもうまくできている。ひとつ作ってください。お願いします」

日頃お世話になっている以上、何も言い返せなかった。

「わかりました。このようなものでよければ…」

こうして、
次の日から、オリヴィアはジュリアンの部屋にはどの色が合うのかと、うんうんうなりながら考えつつキルト制作に励むことになったのだった。
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