罪と愛
そうじゃ,なくて。
「簡単な話なんですよ」
「簡単?」
もかは純粋さしか浮かんでない綺麗な瞳を,子供みたいに丸くして。
大して自由に動かせる部位もないもかは,首を小さく傾げた。
「先輩はもう。こんなに近くに,俺の目の前に,俺の手の届く距離にいる」
だから……
「もかが自分で選ぶまで,俺がもかを全力で蕩けさせればいい。気が済むまで,俺に溺れさせたらいい」
「ん…」
カプッと柔らかい耳に歯を立てた俺は,もかの頭をそっとずらして。
その首筋に,また大きな痕を残した。
もかが,顔を歪めて赤くする。
「……~うるさいわよ」
絞り出した言葉も,そんなもので。
くすりと笑った俺は,もかの突き出た唇に,自分のそれを当てた。
夜はまだ,ながい。
もかはもう,俺だけの。
俺がこれまで,どれだけ奥歯を噛み締めて耐えてきたか,もかは知らなくていい。
俺はほうっと息を吐く。
「…なに,笑ってんのよ」
「あはは」
ー好きです。
ー罪と愛ー fin
「簡単な話なんですよ」
「簡単?」
もかは純粋さしか浮かんでない綺麗な瞳を,子供みたいに丸くして。
大して自由に動かせる部位もないもかは,首を小さく傾げた。
「先輩はもう。こんなに近くに,俺の目の前に,俺の手の届く距離にいる」
だから……
「もかが自分で選ぶまで,俺がもかを全力で蕩けさせればいい。気が済むまで,俺に溺れさせたらいい」
「ん…」
カプッと柔らかい耳に歯を立てた俺は,もかの頭をそっとずらして。
その首筋に,また大きな痕を残した。
もかが,顔を歪めて赤くする。
「……~うるさいわよ」
絞り出した言葉も,そんなもので。
くすりと笑った俺は,もかの突き出た唇に,自分のそれを当てた。
夜はまだ,ながい。
もかはもう,俺だけの。
俺がこれまで,どれだけ奥歯を噛み締めて耐えてきたか,もかは知らなくていい。
俺はほうっと息を吐く。
「…なに,笑ってんのよ」
「あはは」
ー好きです。
ー罪と愛ー fin


